2005年4月15日(金)付の日本経済新聞四国経済面に伊予鉄道の森本惇社長インタビュー記事が掲載され、この中で、2005年3月期の電車・バス事業は前期に続いて黒字が確保できた模様であることが明らかにされました。
記事では、まず、2001年度から3ヵ年に渡って実施された「サービス向上宣言」により、利用者が計画前に比べて260万人増加したものの、2005年3月期においては、前年度に比較して以下のように利用者が減少したことが明らかにされています。
●鉄道:1.4%減
●軌道:3.8%減
●バス:0.5%減
■合計:1.8%減(47万人減)
この減少については、「連続した台風などの悪天候という特殊要因」との見解を示し、この要因を差し引いて考えればほぼ前年並みの状況と捉えているようです。
また、輸送事業での収益確保が一連のサービス向上との両立で成し遂げられたことを評価しており、居住人口が1960年代(輸送人員のピーク時期)と比較して減少しているわけではないという数値を示しながら、運輸事業のさらなる回復の余地があるとの見方を示し、今後も運輸事業の収支を最低でも均衡させる方針を明らかにしています。
運輸事業での利用増方策として、まず、行政の協力によるバスの走行環境の整備を挙げています。また、バス事業の中でも特に好調な高速バスについては今後も新規路線を開設する姿勢を示し、「乗車率が最低でも40%以上あれば、新しい路線開設を考える」と強気の路線新設姿勢を示しています。
ICカード事業については、2001年からICカードの導入構想を練ってきて、2002年に伊予鉄グループ内の電子決済システムを完成させたというその延長線上にあるとしています。今後の展開については、今年・2005年7月から電車・バス・タクシーなどの支払い可能なカードとして出発、来年・2006年には「いよてつ高島屋」など伊予鉄グループ全体で利用できるカードにし、それ以降に地域カードとしていくという従来の予定が繰り返し示されています。今後、ICカードが様々な機能を集約する便利な地域カードという利用者の利便性向上につながる一方、グループ社員の身分証明カードにも使えるなど、業務効率化も期待できるという側面にも触れています。
また、4月に設立したICカード運営会社「e-カード」について、地域カードに育てるために地元企業と共同出資で運営会社を設立したとしています。地域カードにしたいという背景には、カード保持者が増加することによって伊予鉄道の潜在的な顧客基盤を強化することにもなるという見方を示しています。
※参考:
・2005年4月15日(金)付 日本経済新聞四国経済面の記事「アングル この人に聞く」
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