2005年9月15日付で発行された伊予鉄道社内誌「いよてつ」No.334(2005年9月号)に、「ICい〜カード定期券サービス」と題された2ページものの特集記事に、2005年11月から開始予定のICい〜カードの定期券サービスについて詳細が紹介されています。
定期券がICカード化されることにより、電車・バスの乗り継ぎ定期券が1枚化されるほか、乗り越しなどの区間外乗車も自動精算されるストアードフェア機能も兼ね備えた定期券となる上、土日祝日の環境定期券制度も本人利用については自動精算されるなど、定期券の利便性が飛躍的に向上するサービスとなっています。
なお、四国での定期券も含めたICカード乗車券のサービスは、ことでんグループの「IruCa」が先にありますが、「IruCa定期券」は鉄道のみ(バスではSF(ストアードフェア)カードとしての利用のみ)となっており、バスも含めた定期券のICカード化は四国初となります。
また、今回のサービス開始で「ICい〜カード」に定期券機能が付け加わることになりますが、携帯電話をICい〜カードと同等に使える「モバイルい〜カード」には定期券機能を付加できません。これについては、技術的な取り組みなため、実現までまだ時間がかかるものの、将来的には実現する方向のようです(IT総合情報サイト「ITmedia」掲載の記事「伊予鉄道はなぜ、「FeliCa採用」に踏み切ったのか(後編) (2/3)」(2005/08/31 17:03)による)。
●ICカード化される定期券
現行の定期券種別(伊予鉄道公式Web掲載の「各種定期券について」参照)記事によれば、2005年11月からICカード化される定期券は次の通りです。
| 種類 | 備考
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|---|
| 通勤定期 | 電車・バスともにあり
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| 通学定期 | 電車・バスともにあり
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| 平日定期 | バスのみ。通勤定期の12%引き。日祝振替休日は利用不可
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| ビジネス定期 | バスのみ。通勤定期の21%引き。日祝振替休日の利用不可に加えて、土曜日も利用不可
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| 学期定期 | バスのみ。3学期制に対応した通学定期。1ヶ月区切りでなく日数に端数がある点が特徴
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現行の定期券サービスのうち、以上に挙げられていない定期券としては以下のものがあります。
| 種類 | 備考
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|---|
| 持参人定期券 | バスのみ。無記名式で、持参人ならば誰でも利用可
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| 企業定期券 | バスのみ。1事業所3〜50名の場合は通勤定期の3%引き、51名以上の場合は5%引き
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| 夏休み通学定期券 | バスのみ。夏休み期間中(7/20〜8/31)のみ。通学定期券の16.7%引き
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| シルバー定期券 | 電車・バス全線利用可能な65歳以上限定定期
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| 電車連絡定期券 | ループバス専用定期券と電車定期券が1枚になった定期券
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以上のうち、「シルバー定期券」は本人特定のために顔写真を券面に貼付しているため、この点が技術的もしくは費用的にICカード化への移行を難しくしているのではないかと推測されます。
また、「持参人定期券」については、ICい〜カードの定期券サービス自体が記名式のレギュラーカードの定期券化といえるサービスのため、ICカード化されないものと思われます。
なお、「電車連絡定期券」および「企業定期券」は、後述のような定期券のICカード化に伴い、発展的統合となるものと考えられます。
●定期券のICカード化・5つのメリット
ICい〜カードの定期券サービスにより次の5つのメリットがある、と記事では説明しています。
- 電車・バスの乗り継ぎが1枚のカードに
- 落としたときも再発行で安心
- 乗り越し精算が自動的に
- 環境定期券(エコシステム)として利用可能
- 同じカードを繰り返し使用可能
以下、詳細を見ていきます。
(1) 電車・バスの乗り継ぎが1枚のカードに
・郊外電車⇔市内電車
・郊外電車⇔ループバス
・バス⇔バス
が、現在発行されている乗り継ぎ定期券ですが、これ以外の組み合わせについても、相互の乗り継ぎが1枚の定期券になります。すなわち、従来なかった
・郊外電車⇔バス
・市内電車⇔バス
の形も1枚の定期券になります。この場合、ICい〜カードの券面には「電車・バス連絡」の文字や経由地表示が印字されます。
(2) 落としたときも再発行で安心
すでにサービス開始となっているICい〜カードの記名式と同様に、紛失時の使用停止機能を利用して、紛失時には届け出ることにより、紛失した定期券の使用を停止することができ、新たな定期券を手数料のみで再発行してもらえるようになります。従来の定期券が、紛失すると新たに買い直しが必要になったのと比べると、利用者の金銭的負担が大いに軽くなっています。
(3) 乗り越し精算が自動的に
ICい〜カード定期券は、現在の「ICい〜カード」に定期券機能が付け加わったものといえます。したがって、ICい〜カード定期券に表示されている区間内利用ならば通常の定期券として利用できることはもちろん、区間外利用の場合は通常の「ICい〜カード」として利用できます(ただし、ICい〜カード定期券にあらかじめチャージしておくことが必要)。
また、定期券区間内からの乗り越しや、区間外乗車→区間内降車なども、区間外部分について自動精算されます。もちろん、区間外利用については、現在の「ICい〜カード」同様、通常運賃の1割引の運賃で精算されます。
(4) 環境定期券(エコシステム)として利用可能
2001年4月の「サービス向上宣言第1弾」で導入された「環境定期券(エコシステム)」制度はICカード定期券にも引き継がれています。通勤定期券となっている「ICい〜カード」定期券で定期区間外を利用すると、平日は上述の通り自動的に乗り越し精算されますが、土日祝日は常に100円で精算されます。従来の「環境定期券」が利用時の申告制であったこと、また精算が現金に限られていたことと比較すると、使い勝手が飛躍的に向上しているといえます。
なお、「環境定期券(エコシステム)」制度は、同定期券利用者の同居家族を同伴している場合は、同居家族も1乗車100円(小児は50円)で利用可能となっていますが、同居家族分の精算が従来通り現金に限られるのかどうかは記事に詳細が記されていないため不明です。
※伊予鉄道の「環境定期券」(現行制度)
(参考:伊予鉄道公式Web掲載の「エコシステム(環境定期券)導入」)
| 対象
| 通勤定期券所持者、および定期券所持者と同伴利用の同居家族 ※通勤定期券のみ対象(通学定期・ビジネス定期・平日定期などは含まない)
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| 対象区間
| 郊外電車・市内電車・バス全線 ※高速バス・定期観光バス・特急線(新居浜・大三島・八幡浜線)を除く
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| 運賃
| 1乗車ごとに大人100円(小児50円) ※現金のみ ※定期券所持者は、券面表示区間外に乗車した場合に適用
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| 適用期日
| 土曜日、日曜日、祝休日、振替休日、年末年始(12/29〜1/3)
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(5) 同じカードを繰り返し使用可能
「ICい〜カード定期券」券面に区間・期限などが印字されていますが、定期券を継続(更新)する場合は、これらの印字をリライト(書き換え)て、同一カードを継続して利用することにより対応します。
なお、現在の「ICい〜カード」の記名式レギュラーデザインカードには、すべてこのリライト機能がついています。したがって、現在、記名式レギュラーカードを利用している場合、そのカードをそのまま11月から定期券に書き換えて利用することが可能となります。
●「大口定期券」制度も登場
今回の「ICい〜カード定期券」登場によるもうひとつの大きなポイントが「大口定期券」と呼ばれる制度で、現行の定期券利用先向けに、5〜10%の追加割引を行うものです。
従来、バスのみに「企業定期券」と称する制度があり、1事業所3〜50名の場合で3%引き、51名以上ならば5%引き、となっていましたが、これを鉄道にも拡大し、割引率も拡大したものと見ることができそうです。
なお、この「大口定期券」制度について、社内誌では「地方都市における公共交通の活性化のためには、地域の行政、諸団体、大手企業が率先して公共交通への利用転換を図り、地域環境、渋滞軽減、まちづくりなどの社会的諸問題に関与する必要があります」と前置きした上で説明されています。このことから、今回の定期券サービスの開始が、単にICカード利用者の拡大だけにとどまらず、公共交通利用促進に向けて企業・自治体との連携を深める一歩と位置づけていることが窺われます。
【参考】
・伊予鉄道社内誌「いよてつ」No.334(2005年9月号・2005年9月15日付発行)
【関連外部リンク】
・伊予鉄道公式Web
「各種定期券について」
「サービス向上宣言第1弾」
「エコシステム(環境定期券)導入」)
・IT総合情報サイト「ITmedia」
「伊予鉄道はなぜ、「FeliCa採用」に踏み切ったのか(後編) (2/3)」(2005/08/31 17:03)
【当サイト内の関連記事】
・【社内誌】「いよてつ」No.334(2005年9月号)発行(2005.09.21)
・【ICカード】8月23日よりサービス開始(2005.07.19)
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